俺はエレベータで5階まで上がって、そこから階段で6階に上がって様子をうかがった。
灯りが点いている部屋は一つだけで、中から声が聞こえる。
「あいつらはどのみち敵だ。私の味方じゃないが、永井さんの味方でもない。解任された元社長の不祥事じゃなく、現社長の不祥事を望んでるだけだ。そうなれば騒ぎが大きくなるだけじゃない。業務が止まって、取引先にも迷惑がかかる。それに我々は社員の生活を守らなきゃいかん。そのためにはもう永井さんを切り捨てるしかないんだよ」
誰かが騒ぎを大きくしたがっているのか?高山は大金が絡むと言っていたが、目的は株価操作か?なんにせよ永井社長の破滅はもはや避けられないようだ。問題は会社を道連れにするか、しないかだな。
そう考えていると唐突にドアが開いて男が出てきた。
「お、おい!お前何の用だ?」
しまったな。多勢に無勢だ。ここは様子を見よう。
どうする?