バッド・リトル・プリンシズ

May 2022 by nanaD

「シンシア。何か良い歌を歌ってくれよ。そう。子守唄なんかがいいな。なんだっけ。小さな王子がどうとかいうあれとか」
「シンシアが子守唄を歌うなんて変だわ。歌ってもらう側でしょ」
ジェシカが口を挟んだ。
「そんなことないもん。もうあたしはそんなに小さくない」
「こないだだって・・・」

俺は目でジェシカを抑えた。彼女は黙って優雅に肩をすくめた。あと数年もすれば彼女はとびきりの美人になるだろう。
そしてシンシアが歌い始めた。

Sleep, my little prince, sleep, (眠りなさい私の小さな王子様)
The sheep and the birdies rest, (羊も鳥も休む)
The garden and the meadow are quiet, (庭も草原も静か)
Not even a little bee buzzes anymore. (もう蜂だって唸らない)
Luna, with a silverly glow (月が銀の輝きで)
Looks in through the window, (窓から覗き込む)
Sleep by the silvery glow, (銀の輝きと眠りなさい)
Sleep, my little prince, sleep, (眠りなさい私の小さな王子様)
Sleep, sleep! (眠りなさい)

「ありがとう。シンシア。今夜は酒を飲まずに眠れそうだ」
そう言って俺は自分の宿に引き上げることにした。