拳を引いて、それから前に出す。体全体が前に出ると同時に上半身が回転して、肩、腕、そして拳を押し出すような形になった。自分の名前さえ思い出せなくても、この動きは体が憶えている。 気ばかり焦って、一瞬、走馬灯が回るのを見たような気がするが、なんとかなった。男が息を吸うタイミングに合わせてみぞおちに拳を叩き込むと、男は床に倒れ込んだ。鍛え方が足らん。それとも俺が強すぎるのか。 廊下の先には階段が見える。
どうする?